雑学コラム

ヘッドホン・イヤホン豆知識 vol.10

イヤホンの「エイジング」って何?音は良くなるの?

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イヤホンの「エイジング」って何?音は良くなるの?

2021 August

時を経ることでの変化を表す「エイジング(エージング)」という言葉。実はイヤホンにも使われることがあります。例えば「このイヤホン、エイジングが進んで購入直後とは音が変わってきたかな」というように。

 

そのイヤホンのエイジングって、どんな現象のことなのでしょう?それはよいこと?それともよくないこと?

 

「エイジング=時を経ることでの変化」という言葉は、分野によって、よい意味で使われる場合も、好ましくない意味で使われる場合もあります。その変化の内容によってその分野での意味合いが変わってくるからです。

 

例えば「エイジングケア化粧品」。ここでのエイジングは「加齢によるお肌の変化」のことです。それを好ましくない変化と捉えて、そうならないようにケアするのがエイジングケア化粧品ですよね。

 

でも「エイジングビーフ」だったらどうでしょう。エイジングビーフは「熟成させることで味や食感を引き出して美味しくした牛肉」ですから、この場合のエイジングは好ましい意味合いになります。

 

では本題のイヤホンのエイジングについて。まずイヤホンのエイジングとは、具体的にはどのような経時変化を指すのでしょう?

 

イヤホンの内部ではそれを構成する様々な要素の経時変化が起こり得るのですが、中でも特に大きなものと認識されているのは、「精密機械としてのイヤホンの可動部分が慣らし運転的な期間を経ることでより滑らかに動くようになること」です。

 

特に言われるのはダイナミック型ドライバーの振動板周り。例えば振動板の外周部がこなれて、振動の支点としてよりしなやかに動くようになる。その変化を指して「エイジングが進んだ」とするわけです。加えて、各パーツの接合に使われている接着剤の安定などの要素を挙げる専門家もいます。

 

いずれにせよ、ドライバー内の部品自体の特性や部品同士の接点などがなじんで可動がよりスムースになる。それを指しての「エイジング」というわけです。

 

そして冒頭で例に出したように、イヤホンの内部で起きるエイジングは、ユーザーにはイヤホンの音の変化として届いてきます。

 

ということは、そのエイジングが好ましいことなのかそうでないのかは、その音の変化がどういうものなのか次第ですよね。

 

もちろん、イヤホンごとに元の音が違うわけですからエイジングの効果の出方も違います。ですが一般的によく言われるのは、

 

「音の硬さや鋭さが適度にほぐれる」

「楽器のアタックがはっきりする」

「楽器の余韻が変に膨んらだり長く残りすぎたりしなくなる」

 

などです。総じて音の立ち上がりと減衰の部分が滑らかになるといったところでしょうか。いずれも一般に好ましい変化と言って差し支えないでしょう。

 

ですのでイヤホンの世界での「エイジング」は、「慣らし期間を経ることで当初より音がよくなる」という好ましい意味で使われることが普通です。

 

ただしもちろん「当初の音から別物に進化!」なんてことはありません。「当初の音が仕上がって深化!」のようなイメージが適切でしょう。音が気に入って購入したイヤホンのその音が別物になってしまった!なんてことにはならないので安心してください。

 

そんな嬉しいエイジングですが、それを無理に早く進めようとイヤホンを鳴らしっぱなしにしたりする必要はありません。エイジングをいちばん自然に進められるやり方は、あなたが普段聴く音楽を普通に聴き続けることだからです。

 

ですから毎日お気に入りのイヤホンでお気に入りの音楽を聴いていれば、ある日ふと「何か音が前より心地よくなってるかも?」なんて気付くときがくるかもしれません。その瞬間を楽しみにしつつ、でもそれは一旦忘れて、音楽を聴きまくってください!


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