ポータブル電源

ポータブル電源

ライフハック

自給自足の生活に憧れながら、一方でスマートフォンやデジタルカメラなども欠かせないアイテム。 ソーラーパネルとポータブル電源を使い、家にいながら電気の自給自足生活を疑似体験してみました。

ポータブル電源 ライフハック

ソーラーパネルとポータブル電源で、快適リモートワークを体験!

男性は特に、自給自足の生活に憧れますよね。何年か周期でアウトドアブームが訪れるのも、その憧れのため、というのが一因にあると思っています。文明と離れた自然の中で、自分の力を試してみたい。そんな本能的な欲求が、アウトドアブームにつながっているのかと思います。

 

自給自足と言っても、いまや電気は、人によっては水と同じくらいになくてはならないものでしょう。普段あまりにも電子機器に囲まれているため、アウトドアでもスマートフォンなどが手放せないのも当然です。それにアウトドアと言っても、自分に苦行を課す必要はありません。日常から少し違う生活を楽しめるのがアウトドアです。街から離れてテントや車に泊まるだけでも、テレビを見ない代わりに自然の中で家族と過ごし会話を楽しむだけでも、オーブンレンジやIHクッキングヒーターを使わずに料理するだけでも、日常とは異なる楽しさがあるはずです。

 

筆者もまた自給自足の生活に憧れています。ただし、スマートフォンやデジタルカメラなどもアウトドアには欠かせないアイテムです。つまり電気が欠かせないということです。その電気を自給自足できないか、というのが今回のテーマです。

目次

  1. リモートワーク用の電気をソーラーパネルで発電できるのか?
  2. マンションのベランダでソーラーパネルで200Whを発電!
  3. 直射日光が届かなくなると発電量は激減
  4. ポータブル電源だけでリモートワーク1日分は十分にまかなえる

1.リモートワーク用の電気をソーラーパネルで発電できるのか?

具体的には、ポータブル電源「BN-RB10」とポータブルソーラーパネル「BH-SP100」(以下:ソーラーパネル)を使って、できるだけ電気を自給自足してみました。まずは降り注ぐ太陽の光で“発電”して蓄え、蓄えた電気で、普段使っているパソコンやスマートフォン、サーキュレーターなどを使う……それだけで家に居ながらにして、電気の自給自足生活が疑似体験できるんです。

 

2月の、ちょうど天気が良い日に、ベランダでソーラーパネルを広げてみました。これまでも夏に何度か、ソーラーパネルでの発電をしたことがあります。その頃は直射日光が長い時間ベランダに差し込んでいたのですが、今回は太陽の軌跡が低かったです。それでも午前中はベランダに直射日光が差し込んできました。



2.マンションのベランダでソーラーパネルで200Whを発電!

前述の通り、使ったのはポータブル電源とソーラーパネルです。ソーラーパネルで発電し、それをポータブル電源に蓄電していきます。

 

6歳の息子にもソーラーパネルを運ぶのを手伝ってもらいました。もちろん、4.2kgなので大人の男性が持つのには、それほど重くありません。6歳でまだ背が低い息子には、大きなソーラーパネルを床から離して持つのが大変そうでした。それでも短い距離なので、持てないほどの重さではありません。そのまま彼に、二つ折りに畳んであるソーラーパネルを広げてもらい、設置までしてもらいました。それほど大変そうではありませんでした。ソーラーパネルを床に置き、広げて、背面にあるスタンドを引き出せば、角度を付けて自立します。



次にポータブル電源をベランダに出します。これはさすがに10.9kgなので、子どもには持たせられません。ポータブル電源は、陰に置いておくのが良いです。そこでソーラーパネルから少し離して、陰になっているところに設置しました。

 

ソーラーパネルの背面にポケットがあります。そこには、発電した電気を外部に出力するケーブルが入っています。そのケーブルを引き出し、ポータブル電源の入力端子に差し込みます。少し経つと、ポータブル電源のディスプレイに「INPUT 59W」と表示されました。これは、ソーラーパネルで発電された59Wの電気が、蓄電されていっているということです。




ポータブルソーラーパネル「BH-SP100」の最大出力は100Wです。59Wと言えば、最大時の6割程度の発電量ということになります。ソーラーパネルに当たっている太陽光が7割くらいだったので、これくらいの発電量が妥当でしょうか。

※掲載している数値は、時間帯、光量、季節など使用状況により変わります。


あとは太陽光がベランダに差し込む数時間で、どれだけの電気が蓄えられるのかを観察することにしました。

だいたい55W~65W前後の発電量で推移していました。数十分ごとに発電の様子を見に行き、ソーラーパネルが太陽の光をよく浴びられる位置に移動させました。2時間以上が経つと、はじめは80%強だったポータブル電源のバッテリー残量が90%を超えていました。こうやって自然の力で発電されていくのを感じると嬉しいものです。もっと頑張って発電してほしいという気持ちにもなります。また、太陽の位置が朝よりも上っていて、ベランダに差し込みやすくなりました。

 

 

また、計算上の数値ですが、容量1,002Whのポータブル電源「BN-RB10」を、最大100Wのポータブルソーラーパネル「BH-SP100」で給電すると、カタログの仕様表ではバッテリー残量0%から100%にするには、約17時間かかると書いてあります。東京の夏至の日照時間が14時間なので、1日では満充電できません。ちなみに10%/20%/30%を充電するには、それぞれ下記の時間がかかります。

 

70%から100%にするには5.1時間

80%から100%にするには3.4時間

90%から100%にするには1.7時間

 

そうこうしているうちに、ソーラーパネルでの充電をはじめてから約4時間が経過しました。ベランダに出て、ポータブル電源を見ると、バッテリー残量は100%となっています。日照条件のあまりよくないマンションのベランダでも、4時間で約20%分も充電できました。



3.直射日光が届かなくなると発電量は激減

主題からそれますが、午後になってもベランダの外は明るかったです。ですが、ソーラーパネルで直射日光を受けられなくなると、やはり発電量は激減しました。いちおうポータブル電源のディスプレイには「INPUT 2W」と記されていましたが、ほとんど発電しなくなったということです。

ソーラーパネルの背面には、USBの出力端子が搭載されています。USB Type-CとUSB Type-Aが1ポートずつあります。発電量2Wの状態で、スマートフォンを繋げてみると、やはりスマートフォンの充電はできませんでした。




4.ポータブル電源だけでリモートワーク1日分は十分にまかなえる

ポータブル電源への充電が終わったので、次は消費してみました。自給自足バッテリーです。

 

容量1,002Whのポータブル電源「BN-RB10」でリモートワークをしたら、どのくらい持つのかを試してみました。いつもの10時頃にパソコンをつなげます。さらにスマートフォンを2台。ポータブル電源のUSBポートに接続して充電を開始。さらに換気のための小型サーキュレーター(消費電力は39W)。小型とはいえ適応畳数は18畳で、風量を最大にして、さらに首を上下に振らせながら駆動させました。さらに仕事中にラジオや音楽を聴くのに使っているスマートスピーカー。



2時間が経過した時点で、ポータブル電源のバッテリー残量は82%。1時間が経過した時には、あまり減っていないと思ったけれど、2時間が経過するとそれなりに電気を消費していると実感しました。

 

さらに紅茶でも飲むかと1リットルのお湯を沸かしました。するとポータブル電源からファンの音が聞こえてきました。昼間だからそれほど気になりません。誰もいない夜だったら気になるだろうが、ファンが動いているということは、電気をたくさん消費しているということ。つまり何か他にも音が鳴っている確率が高いから、意外と気にならないかもしれない。例えば、その時にファンが動き始めたのは、消費電力430Wの湯沸かしポットを使ったからだ。その湯沸かしポットの音の方が、ファンの音よりもはっきり聞こえました。

 

8分前後で1リットルのお湯が沸きました。バッテリー残量は一気に下がって、75%。電気を消費するだろうと予想していましたが、改めてお湯を沸かすだけで5%もバッテリーを消費することに気が付きました。とはいえ、一人で居るときに1リットルのお湯を1度に沸かすことはないです。せいぜい0.4リットルくらいの水を、1日に4~5回に分けて沸かします。

 

お湯を沸かしたのは、このときと、お昼にカップラーメン用のお湯を沸かしたときです。その時も同じように電気を5%消費しました。



お昼を挟んで、また仕事を再開。お湯を2回沸かした以外に、目立って電気は消費されませんでした。そんなこともあり、加湿器を約1時間稼働させてみました。スチームファン式なので消費電力は250Wと、少なくありません。一時は出力が470Wにまで上がりました。

 

それでも17時に仕事を終わらせる時にチェックすると、ポータブル電源には32%のバッテリーが残っていました。10時から17時までの間の7時間ですが、加湿器やサーキュレーターという必須ではない家電製品を動かしても、まだ余裕があります。

 

これでサーキュレーターや加湿器を使わず、純粋に仕事に必要なノートPCとスマートフォンだけを使っていれば、数日分は電気がもちそうだということが分かりました。



◆まとめ

今回、マンションのベランダでソーラーパネル発電でポータブル充電に試み、充電した電気を使って、自宅で仕事をしてみました。

当たり前ですが、ソーラーパネルは陰になると弱いです。そのため、陰ができやすいマンションのベランダ(しかも東向き)は発電に向いているとはいえません。それでも太陽の動きや陰の動きを注視しながら、少しずつソーラーパネルをズラしていくと、約4時間で200Whくらいを発電してくれることがわかりました。

ノートパソコンの消費電力がだいたい20Wだとして、8時間稼働させると160Whです。つまり晴れていれば、やや条件の悪いマンションでも、ノートパソコン分の電力はソーラーパネルによる発電でなんとかなることが分かりました。

もちろん、停電や災害がない限りはベランダでソーラーパネルを広げる必然性はありません。ただ、その万が一が起こった時には、とても心強い存在になるだろうと確信しました。地震などの災害が多く、アウトドアの人気が高止まりしている日本で、ポータブル電源に注目が集まっているのにもうなずけますね。

※掲載している数値は、使用する機器の状態や使用状況により変わります。

※ポータブル電源やポータブルソーラーパネルを不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。

※ポータブル電源の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、ポータブル電源の各面から5cm以上スペースを空けてください。

※心臓にペースメーカーを装着している方は使用しないでください。ペースメーカーが、ポータブル電源の影響を受ける恐れがあります。

※ポータブル電源やポータブルソーラーパネルは防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水、海水などがかからないように注意してください。また、手がぬれた状態でポータブル電源やポータブルソーラーパネルを操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。

※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。


Profile


フリー編集ライター
河原塚 英信
HIDENOBU KAWARAZUKA
デジタル系トレンド情報誌の編集者を経て、フリーランスの編集ライターへ。
カメラやスマートフォン、ドローン、VRなど、デジタル製品全般とSNSなどのWebサービスに精通。雑誌やWebサイトで執筆中。


バックナンバー


関連製品